終身雇用制度「必要ない」が54.3% 「終身雇用」について調査
総合転職エージェントの株式会社ワークポートは、全国の転職希望者405人を対象に、【終身雇用】についてアンケート調査を行い結果を発表した。
現在の会社(直近まで働いていた会社)に入社したとき定年まで働くことを想定していたか質問したところ、68.6%の人が「いいえ」と回答し「はい」と回答した人は31.4%となりました。「いいえ」と回答した人に理由を聞いたところ、「後に独立する計画を立てていた」(40代・男性・クリエイター)、「転職してキャリアアップしていく時代だと思うため」(20代・男性・企画マーケティング)といった、はじめから後のキャリアを見据えての入社であったり、キャリアアップの手段として転職を考えていたりする意見が大多数でした。一方で、「定年まで会社が存続できるとは思えないから」(20代・男性・接客販売)や「ずっと居たいと思うような会社ではないから」(30代・男性・アシスタント)、「転職が普通な時代。やりたいことを見つけるために転職を前提に入社した」(20代・女性・DTPオペレーター)など、“とりあえず入社した”というような意見も散見され、全体的に転職に対するハードルが下がってきていることも今回の結果の一因となっていると考えられます。
終身雇用制度は必要だと思うか質問したところ、54.3%が「いいえ」、45.7%が「はい」と回答しました。必要ないとする人の意見では「能力よりも年功序列での評価になりやすく、そのデメリットが大きすぎる」(30代・男性・エンジニア)、「企業成長のためには新陳代謝は必要」(30代・男性・営業)、「副業や転職、キャリアの方向性を自分で自由に変えられる仕組みの方が現代的」(30代・男性・接客販売)など、能力に見合った評価に対する懸念や、働き方の多様化が進む社会においては人材の流動が更なる成長につながるとする意見が目立ちました。
また、必要とする人の意見では「年金ももらえるかわからない時代だからこそ、終身雇用は必要」(40代・男性・コールセンター)、「ライフプランを立てる上で収入の安定は必要だから」(30代・女性・管理)といった長期的な収入の安定を求める声が目立ちました。ほかにも、転職弱者やキャリア弱者のための終身雇用はあった方がいいという意見も挙がりました。
年功賃金制を支持するかという質問については、71.9%が「いいえ」、28.1%が「はい」と回答しました。支持しない人の意見では「年齢が上でも実力がない人がいるため」(20代・男性・システムエンジニア)、「能力があるのに賃金が低いと働く意欲が下がるため」(30代・女性・医療福祉)といった、仕事へのモチベーションを保つためにも年齢ではなく実力で評価されるべきという意見が多くみられました。支持する人の意見では「年齢に応じて必要なお金も増えるから」(30代・男性・機械系エンジニア)、「頑張って働いてきた証だと思うから」(20代・女性・接客販売)といった、ライフスタイルの変化に伴う出費の増加を考慮した意見や、同じ会社で長期間働いたことを評価するべきといった意見が目立ちました。
対象者に、「できれば転職せずにひとつの会社で長く働き続けたい」と「必要に応じて何度か転職してもよい」のどちらが自身の働き方の価値観に近いか聞いたところ、後者と回答した人が68.4%となりました。70%近くの人が、働き方のひとつの選択肢として「転職」を前向きに捉えていることがうかがえます。
今回の調査では、終身雇用制度や年功賃金制の必要性について「年齢や勤続年数にこだわらず公平公正に実力を評価してほしい」という意見が多く挙げられました。その一方で、年齢や勤続年数を評価する制度による長期的な収入の安定をメリットとする声も挙がっています。
調査内容 :終身雇用について
調査対象者:当社を利用する求職者
有効回答 :405人
調査期間 :2019年5月29日~6月5日
ワークポート調べ https://www.workport.co.jp/
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